「爆買い」とはどのようなものか

今あらためて前著を読み返してみると、数々のヒントがちりばめられていたことがわかりました。また、爆買いは終焉せず、「モノ消費」から「コト消費」へと中国人の志向は変化しています。その点についても、自分でも驚くほど、私の予測は的中したのです。すでに「コト消費」は私が前著を書いた15年の時点でもじわじわと始まっていたからです。読者の方々の間には「いやいや、爆買いはもう終わったと報道されているじゃないですか?」という方がいるかもしれません。しかし、それは違います。そもそも日本で14年後半から頻繁にメディアに登場し始めた「爆買い」という言葉の定義自体、曖昧なものだったと言えます。私が考える「爆買い」の定義は、こうです。「団体ツアーでやってきて、同じ商品を10個、20個と大量に、短時間に買いまくる」ということです。爆買いのイメージは人それぞれですが、私と同じようなイメージを抱いている人が多いのではないかと思われます。記憶に新しい人も多いと思いますが、当時、中国人観光客が買っていったものは温水洗浄便座や高級炊飯器などの家電製品が中心でした。一つではなく何個も同じ商品を買い、東京・銀座の大通りや大阪の黒門市場で、両手にたくさんの買い物袋を抱えた中国人観光客が練り歩き、大型バスに乗り込む姿を目撃した人も多いと思われます。それを「爆買い」と称したのならば、その意味での爆買いはもうすぐ終息すると考えています。しかし、「爆買いの中身」は大きく変化していると言えます。そして、「爆買い後」の新しい現象が次々と顕在化し、各方面に広がってきているのです。つまり、「爆買い後」の今こそ、日本のインバウンドの大きなチャンスなのです。